EAの開発やってるよ!

Fixes

 
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今までいろんな小遣い稼ぎを実践してきました。最終的にMT4でEAを稼働させる運用方法に落ち着きました。EAを自作したりもしています。気まぐれにサイトの更新が止まったりしますが、メッセージいただければかなり喜びます。よろしくお願いいたしまーす。
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どうも、miccoです^^
今回は自作EAの紹介です。

第5作目となる自作EAの名前は

Fixes です。

察しの良い方はこの名前からどういったロジックのEAかおわかりになるかと思います^^;

 

それでは、EAの説明にしばらくお付き合いいただけると幸いです。

 

概要

Fixesの概要です。

通貨ペア  USD/JPY
タイムフレーム  M5
スタイル  デイトレード
最大ポジション数  各ロジック 1 ポジション
TakeProfit / StopLoss  TP: 150 pips / SL: 30 pips
途中決済  内部ロジックによりTP/SL前に決済あり
両建て/ナンピン/マーチン  なし
動作タイミング  OPEN: 始値, CLOSE: Tick

ロジック

Fixesのトレードロジックについてです。

Fixesは日本時間早朝から10時頃の仲値の決定に向けて短期的に上昇し、仲値の発表後に下落するドル円の特徴を狙ってトレードします。また、一般的にその傾向が表れやすいと言われている五十日(ゴトー日)についても併せて狙ってトレードを行います。

いわゆる「仲値トレード」をロジックとしています。

仲値トレードとは、

 ザックリいうと、「仲値」にかけては貿易業務を行う事業法人が、事業決済用の資金を調達する目的で米ドル買い注文を持ち込むことが多いので、そこを狙って米ドル/円の買い(米ドル買い・円売り)ポジションを持てばいいじゃん、というもの。

引用元:ザイFX!

仲値トレードをロジックにしている EAは既にたくさんあり、ロジックとしてはとてもシンプルなので昨年末に自分で使う用にと作ってみたのが Fixesです。

 

「また仲値EAかー」

「えー?今さらー?」

という声が聞こえた気がします。

いや、私自身がそう思っているからでしょうか。

 

ただ、一括りに”仲値EA”と言っても様々です。
次の項では、既に世に出ている複数の仲値EAと Fixesを比較検証してみました。

数ある同種EAとフォワード成績を比較

自分用に作って使っていると順調に成績を積み上げている中、ふと、EA界隈にたくさんある仲値EA達と Fixesを比較したら、Fixesの位置付けはどうなんだろう?という事が気になりました。

そこで、Gogojungleと LET’S REALで検索してみることにしました。
「仲値」「ゴトー」「nakane」「アノマリー」「五十日」「goto」「510」など、思い付く限りのキーワードでサイト内検索して、説明文やフォワード履歴から仲値ロジックだろうと判断できた EAの内、Fixesのテストフォワード期間(2022/1/17~)と概ね同等かそれ以上のフォワード履歴のあるEAを探してみました。(アルファベット順)

他にもあるかもしれませんが、ザッと検索して出てきたのが上記の EA達でしたので、これらの EA達と比較してみることにしました。各市販サイトからそれぞれのフォワード履歴の CSVファイルをダウンロードして日々のトレード結果を拾い出しました。

比較のルール

  • 取引手数料、スワップポイント、ロット数は考慮せず獲得pipsを比較
  • 比較期間は2022/2/15~2022/6/24の直近約4カ月
    ※デモ口座、リアル口座、配信レート差については各々差が生じる。

 

比較のルールとして、取引手数料やスワップポイントについては明らかなブローカー差があることと、エントリーのロット数についても各EA に差があるので、今回はそれらについては考慮せず、単純に獲得pips(ポジションOPENとCLOSEの差)を基に比較しました。

また、できる限り公平に成績を比較したいため、上記 EAの中でフォワード開始日が最も遅かった EAが初めてトレードをクローズした日~直近(2022/2/15~2022/6/24)に合わせました。この期間の成績に基づいてのみ比較したものであるため参考の域を出ません。

フォワード履歴については、Gogojungleは全てデモ口座で、LET’S REALおよび Fixesについてはリアル口座でのフォワード履歴です。全く同じ環境下において比較するのと比べて結果に差が出る可能性も考えられます。また、フォワードを計測しているブローカーやネット環境、MT4を稼働するPCのスペック等についてもそれぞれ異なるため、諸々の差異が生じていることが懸念されますので、完全な比較の実現とまではいきませんが、比較の目安にはなるだろうと考えました。

補足として、今回の比較は固有の EAについて個々の優劣にフォーカスする意図はありません。あくまでも開発者目線で、数多ある同種のEAの中に「Fixesの居場所はあるのか?」を確認することが目的です。そのため Fixes以外のEAについてグラフや表にはEA名を表記せず、適当なアルファベットで表記します。

いろいろ比較してみた

仲値トレードをロジックとする EAと Fixesをいろいろと比較してみました。

まずは、わかりやすく同期間内(2022/2/15~2022/6/24)の”獲得pips”を集計し、各EAの損益曲線で確認してみます。※画像クリックで拡大

同じ仲値トレードを狙ったロジックである EAでも損益に差がある事がわかります。

直近4カ月間の同期間内において Fixesの獲得pipsは上位に食い込めている事がわかりました。

 

次に、フォワード履歴からトレードの詳細についてです。

比較する項目は概ねバックテストのレポート結果で表示される項目と類似します。

  • 取引回数 [回]
  • 獲得pips [pips]
  • 総利益 [pips]
  • 総損失 [pips]
  • 最大ドローダウン [pips]
  • 期待利得 [pips]
  • プロフィットファクター(PF)
  • リカバリーファクター(RF)
  • 勝率 [%]
  • リスクリワード(RR)
  • 平均勝ち額 [pips]
  • 平均負け額 [pips]
  • 最大勝ち額 [pips]
  • 最大負け額 [pips]
  • フォワードがデモ口座 or リアル口座

各EAについて同期間内のフォワード履歴からこれらの項目を算出して比較しました。
※画像クリックで拡大

Count関数や AverageIF関数、MIN関数といったそれほど難しくない関数と簡単な計算式で算出できるので興味のある方は是非試してみてください。

表の並びは、前述の損益曲線で使った獲得pipsの多い順に上から並べています。項目を1つずつ見比べると、各EAそれぞれ一長一短があることがわかります。

このままではわかり辛いので、総合的な比較をするために次のルールを設けて比較してみました。

上記 EAの各項目について順位を付け、その順位をスコアとします。
その結果が以下の表です。※画像クリックで拡大

ここから更に、EAを見る際に特に注目する項目をピックアップしました。
その項目は以下のとおりです。

  • 取引回数 [回]
  • 獲得pips [pips]
  • 最大ドローダウン [pips]
  • 期待利得 [pips]
  • プロフィットファクター(PF)
  • リカバリーファクター(RF)
  • 勝率 [%]
  • リスクリワード(RR)

これらの項目のスコアを合計した値が低いほど総合的に上位であると判断できると考えました。
合計スコアが少ない順に上から並べました。

シンプルに獲得pips順に並べた時と順番が異なっていることがわかります。
例えば、”E”は獲得pipsでは中程でしたが、半分以上の項目について1位となっており合計スコアでは最上位となりました。また、獲得pipsでは”A”、”B”が 2トップとなっていましたが、総合的に見るとやや順位が下がる結果となりました。
Fixesについては総合的に見ても上位を維持できており、直近4カ月の成績においては全体的にバランスの取れたトレードが出来ている事がわかりました。

以上より、直近約4カ月間のトレード成績において、既に世に出ている仲値EAの中にも Fixesの居場所はあるということが確認できました。

バックテスト

Fixesのバックテストについてです。

バックテストの期間は直近10年間で、取引ロットは0.1lot、スプレッドはTick Deta Suite(TDS)のデフォルト設定です。

ThreeTraderのリアル口座(RAW)にログインした状態でバックテストを実施しているので、取引手数料は往復400円/lot と、スワップポイントについては現在の ThreeTrader(buy:-0.66, sell:-1.46)に依存しています。TDSの疑似スリッページについては無効です。

Quant Analyzerで分析

上記のバックテストの結果をQuant Analyzer(QA)で詳細の確認をします。

個人的に気に入っているところは、リスクリワードが 1以上で勝率が 50%以上というところと、“シャープレシオが 0.15以上ある”というところです。



直近 10年間を確認してみて、年ベースで負けた年が無い事がわかります。
月ベースで見ると、1月、2月は負けが少なく、特に 2月は過去 10年間で負け無しという結果でした。逆に 5月、8月、12月が弱い様で、5月はトータルで負けています。月別トータルで最も利益が多い月は 1月で、続いて 4月という結果となっています。

 


綺麗な右肩上がりです。最大ドローダウンをマークしたのは2013年6月頃で、ドローダウンの最長期間は 2019年末~2021年半ばまでの約8カ月間が最長ドローダウン期間だった様です。

 


左下の「P/L in money by year」は年ごとの利益がグラフ化されており、一部突出した成績の年もありますが、概ね安定した利益を獲得できている様です。今年の成績に関しては現時点で直近数年の成績を上回るペースで利益を獲得できていることがわかります。

青い棒グラフの「Trades / Day」は 1~31日のトレード回数のグラフです。ゴトー日が他の日付より突出して多い事がわかります。Fixesはトレードチャンスを毎日うかがうロジックと、ゴトー日のみトレードするロジックがあるためです。これらロジックはパラメーター設定で ON/OFFできます。

 

続いて、モンテカルロ分析です。

QAのモンテカルロ分析から、トレードのムラが少ない事が確認できます。



バックテストから得られた情報からの未来予想です。あまりあてにはなりませんが、いびつな形状ながらも概ね右肩上がりの成績の継続に期待ができそうな結果が出ています。

ロングとショート

ついでに、ロング(買い)とショート(売り)のそれぞれのトレードについて確認します。

まずは、ロングです。

次に、ショートです。

どちらも良く似た成績になっています。
どちらかというとショートよりもロングの方がやや強いことがわかります。

それぞれドローダウン期間はありますが、その時期が重なっていないため、ロング側のドローダウン期にはショートがカバーし、逆にショート側のドローダウン期にはロングがカバーしており、互いに損失を打ち消し合っている様子が見られます。

ロングとショートについてもバランスの良いトレードとなっている事が確認できました。

耐性

Fixesのトレードがトレードコストに受ける影響を検証しました。

スプレッド

まず、Fixesのスプレッドについて確認します。

固定スプレッド 0.5pips~ 3.0pipsの範囲で 0.5pips刻みでバックテストを実施しました。
※画像クリックで拡大

0.5 pips 1.0 pips 1.5pips
2.0 pips 2.5 pips 3.0 pips

固定スプレッド 2.5pips~3.0pipsでは損益曲線の乱れが目立つ様になってきました。

ドル円の平時のスプレッドが平均 2.5pips以下のブローカーでの稼働が望ましいと考えられます。

取引手数料

次に、取引手数料です。

国内ブローカーは取引手数料が不要な場合がほとんどですが、海外ブローカーの場合は取引毎に取引手数料がトレードコストとしてかかります。

取引手数料無しの場合と、1Lotあたりの取引手数料が 往復 400円~ 1000円(0.4~1.0pips)の範囲で 100円刻みでバックテストを実施しました。スプレッドについては TDSのデフォルト設定です。

Fee 0円 Fee 400円 Fee 500円
Fee 600円 Fee 700円 Fee 800円
Fee 900円 Fee 1000円  

パッと見では判断できないので QAでグラフにして比較してみました。

取引手数料が増えれば最終的な利益は減ってしまいます。
詳細な利益差は以下のとおりです。

余談ですが、pipsは全て同じです。

Fixesに限らずですが、できる限り取引手数料や取引コストが少ないブローカーでトレードをした方が利益を残しやすいのは言うまでもありません。

リアルフォワード

Fixesは昨年末に自分用に作成した仲値EAです。年明けの2022年1月中旬から動作確認を兼ねてリアル口座でテストフォワードを実施していました。
2022年6月26日までのリアルフォワードのキャプチャです。

リアルフォワード開始から 6カ月の間、月ベースで負け無しの成績で推移しています。

 

Fixesは昨年末の開発当初、以下の 4つのエントリーロジックを搭載していました。

  1. 毎日エントリー [EveryDay]
  2. ゴトー日のみエントリー [GotoDay]
  3. ゴトー日かつ金曜日のみエントリー [GotoFriDay]
  4. 日付に関係なく金曜日のみエントリー [FriDay]

リアルフォワードでそれぞれの成績の推移を見ていましたが、”3”と”4”については成績不振だったため 5月末に不採用を決定し、6月第一週の週末に稼働停止しました。

そのため Fixesのロジックは

  1. 毎日エントリー
  2. ゴトー日のみエントリー

この 2つのエントリーロジックで完成としました。

 

リアルフォワードの詳細は下の myfxbookのリンクからご確認ください。

上記”3”と”4”の成績も合わさったフォワードになっているため、右上の [Custom Analysis] → [Magic] から「Fixes_EveryDay」「Fixes_GotoDay」にチェックを入れ [Analyze]を押してご覧ください。

widget

バックテストからフォワード予測

バックテストから得た情報を基に、ブートストラップ法を用いてフォワード予測と信頼区間を検証しました。(参考:Forest’s Investment Lab. Forestさん(@ForestsLab))

Fixesのフォワード開始直近10年間(2012/01/01~2021/12/31)のバックテストの結果から、期待できる成績の中央値と信頼区間を算出しフォワードを予測しました。そこにリアルフォワード履歴を載せ、バックテストの想定内でフォワードの成績が推移しているのかを確認します。

赤色の線がリアルフォワードの損益曲線で、緑色の上下の破線がフォワード予想の信頼区間の上下限です。この赤色の線が下限の緑線を下回ると運用停止を検討し始める目安にしています。

2022/6/26現在、Fixesのリアルフォワードは上限を抜けています。今年はドル円のボラティリティがあるのも好調の要因と考えられます。好調なことは喜ばしいことですが、どこかのタイミングで中央線あたりまで収束する時期がくることを頭の片隅に置いておく必要があります。

とは言え、現在 Fixesはバックテストから予想される成績の中でも絶好調と言っても過言ではないと考えられます。

販売について

Fixesの販売についてです。

今回は GogojungleLet’s RealSagijungle、そして直販で販売させていただく予定です。

Gogojungle、Let’s Real、Sagijungleについては販売手数料の分、価格を少し高く設定しています。
直販は他より割安ですが、売り切り販売のためロジックに関わる部分や機能追加等のバージョンアップ等はでき兼ねますので予めご了承ください。万が一、バグがあった場合は修正いたします。

あとがき

ここまで比較検証を交えて Fixesについて紹介しました。

仲値EAは既に世にたくさん出ていますが、基本的なロジックはとてもシンプルなものなので自分で使う用に作ってみました。メイン口座で使っているととても成績好調だったので、他の仲値EAとの差が気になり今回の比較検証を実施してみました。

こういった検証も含めて EAって楽しいです^^

 

 

 

では^^

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