Sexif
どうも、miccoです^^
今回は自作EAの紹介です。
第6作目となる自作EAの名前は
【 Sexif 】です。
Fixes の裏側の値動きもあるんじゃないか?とふと思い作ってみたEAです。
Sexif は昨年10月から動作確認を兼ねたリアルフォワードの計測を行っていました。計測開始から6カ月が経過して、バックテストと同等のトレード結果が得られていることが確認でき、バックテストとリアルトレードとの乖離が少なく再現性が高いと判断しました。
ということで、Sexif の紹介と再現性が高いと判断した根拠を説明します。
Check
概要
Sexif の概要です。
通貨ペア | EUR/USD |
タイムフレーム | 5分 |
スタイル | デイトレード |
最大ポジション数 | 片側1ポジション |
TakeProfit / StopLoss | TP: 150 / SL: 100 |
途中決済 | 内部ロジックによりTP/SL前に決済あり |
両建て/ナンピン/マーチン | なし |
動作タイミング | OPEN: 始値 / CLOSE: ティック |
ロジック
Sexif のロジックについて説明します。
Sexif のロジックは、Fixes の裏側の値動きもあるのでは?ということで着手しました。
Fixes がUSD/JPY を対象にした仲値トレードであることと、USD/JPY とEUR/USD が概ね逆相関の関係となっていることから、開発当初は時間帯を基に単純にFixes と逆のトレードをしてみました。
こんな感じです。
0:00 ~ 9:54 | 9:55 ~ 23:59 | |
Fixes (USD/JPY) | Long | Short |
Sexif (EUR/USD) | Short | Long |
Long については概ね良い結果が得られましたが、Short については思う様な結果が得られなかったので、時間帯の区切りを意識して欧州時間あたりからShort を持ち、米国時間に決済する様にしました。
こんな感じです。
Long | Short | |
Fixes (USD/JPY) | 0:00 ~ 9:54 | 9:55 ~ 23:59 |
Sexif (EUR/USD) | 9:55 ~ 15:00 | 15:00 ~ 21:00 |
この辺りを狙っていくことでShort についても概ね良い結果が得られました。
Long/Short 両方とも薄くフィルターするくらいにしてほとんど愚直に時間でトレードするシンプル設計にしました。そのため、取引回数が多いのが特徴です。
ということで、Sexif のロジックは仲値時刻からLong、欧州時間あたりからShort をすることでEUR/USDの値動きのクセを狙っていきます。
バックテスト
Sexif のバックテストについてです。
取引ロットは0.1lot、スプレッドはTick Deta Suite(TDS)のデフォルト設定、取引手数料は往復400円/lot です。Sexif は日跨ぎのトレードをしないのでスワップポイントについては考慮していません。TDSの疑似スリッページについては無効です。
直近10年間
2013/04/01 ~ 2023/03/31のバックテストの結果です。
こんな感じです。
主だった項目を拾ってみました。
フィルターでトレードを選別していないため取引回数が多く、10年間で約4,000回、1年間で平均約400回弱となっています。フィルターをほぼ使用していないということは過剰最適化をする要素が無くバックテストとリアルトレードとの乖離が少なくなることに期待できます。
また、RR が1.16に対して勝率が52.83%となっており損小利大のトレードができています。前述のとおりSexif は取引回数が多いという事もあり、大数の法則からこの損小利大のトレードの再現性にも期待できると考えています。
Long と Short
Long とShort の成績についてそれぞれ確認します。
■ Long
■ Short
主だった項目を表にしてみます。
Long/Short を比較すると、取引回数、PF、RF、RR、勝率がほぼ同等の数値となっています。どちらもRR が1.0を超えており、勝率も50%を超えている事から損小利大のトレードができている様です。
大きく差が出ている点は、純益、MAX DD、期待利得、Ave.Win/Loss のどれもが、Short の方がLong の約3倍となっています。トレードの内容としてはどちらも同等ではあるものの、収益性についてはShort の方がLong よりも優れている事がわかります。
勝ちトレードと負けトレード
Sexif の勝ちトレードと負けトレードの詳細を確認してみます。
直近10年間のバックテストで勝ちトレードと負けトレードはそれぞれ以下のとおりです。
中央値を見ると、勝ち/負け共に ±9pips前後の結果となることが多いということがわかります。
それぞれの詳細を確認してみます。
左の列から、決済pips数、回数、割合です。
この表を見てもやはり±10pips以内の勝ち/負けとなる事が半数以上で、トレード全体の約90%が±40pips以内の勝ち/負けとなる様です。利確/損切りの内部ロジックが機能している結果だと言えます。
また、StopLoss のデフォルト値である SL=100pipsに到達して損切りしたトレードは “1回”で、TakeProfit のデフォルト値である TP=150pipsに到達して利確したトレードは “7回”あった様でした。
次に、勝ち/負けそれぞれのトレード結果詳細をグラフにするとこんな感じです。
勝ちトレードの約90%が40pips以下で、勝ちトレード全体の約50%が10pips以下のトレードであるということがわかりました。
負けトレードの約90%が -40pips以下で、負けトレード全体の約50%が -10pips以下のトレードであるということがわかりました。
勝ちトレードと負けトレードの詳細を見ても、Sexif のトレードはコツコツと負けたり勝ったりを繰り返しながら、結果的に少しずつ利益を残していくトレードスタイルであるということがわかります。
リアルフォワード
Sexif は昨年10月から動作確認を兼ねてリアルフォワードの計測を開始しました。
主だった項目を表にしてみました。
バックテストの結果から予想していたとおり、派手なトレードはなく、コツコツと負けてコツコツと勝っていくスタイルなのが損益曲線に現れています。
今のところ 3月15日にフルTP=150pipsを獲得したのが最も派手なトレードです。その後再びコツコツと勝ち負けを繰り返しています。
バックテストとリアルフォワードを比較
Sexif のバックテストとリアルフォワードの同期間の結果を比較して、バックテストとリアルフォワードの乖離がどの程度あるのか確認してみます。乖離が少なければ今後のリアルフォワードにおいても、バックテストの結果に近しいトレードが期待できると考えられます。
数値を比較
同期間のバックテストとリアルフォワードの数値をQA で比較してみました。
まずは、2022/10/01-2023/03/31のバックテストの結果です。
次に、2022/10/01-2023/03/31のリアルフォワードの結果です。
主だった項目を表にして比較してみました。
取引回数については全く同じ回数でした。
純益とMAXDD についてはバックテストよりもリアルフォワードの方が良い成績となっています。それに伴って、PF 、期待利得と勝率についてもリアルフォワードの方が良かった様です。平均勝ち/負けについては、リアルフォワードの方がバックテストより少し劣ります。
とは言え、どちらも誤差の範囲と言えます。
よって、同期間のバックテストとリアルフォワードの成績を比較したところ、この半年間においてはほぼ乖離のないトレードができていたことがわかりました。
損益曲線を比較
次に、リアルフォワードとバックテストの損益曲線を比較してみます。
赤色の曲線がリアルフォワードで、青色の曲線がバックテストです。
各トレードをこの損益曲線で確認したところ、ほぼ同様のトレードができていることがわかります。
よって、同期間のバックテストとリアルフォワードを損益曲線で比較したところ、この半年間においてはほぼ乖離のないトレードができていたことがわかりました。
バックテストからフォワード予測
前項では、半年間のバックテストとリアルフォワードの成績を比較した結果、ほぼ同等の成績であり、Sexif はバックテストとリアルトレードの乖離が少ないロジックであることがわかりました。
今回は直近10年間のバックテストと比較して、現在どの様に推移しているかを確認してみます。
そこで、バックテストから得た情報を基に、ブートストラップ法を用いてフォワード予測と信頼区間を検証しました。(参考:Forest’s Investment Lab. Forestさん(@ForestsLab))
Sexif のリアルフォワードの計測を開始した2022/10/1 の直近10年間(2012/10/01~2022/9/30)のバックテストの結果を基に、想定できる成績の中央値と信頼区間(上限/下限)を算出し、今後のフォワードがどの様に推移するか予測しました。
そこにリアルフォワードのトレード履歴を重ね、バックテストから得られた成績の想定範囲内(信頼区間)で、現在のリアルフォワードの成績が推移できているかを確認します。
2023/03/31現在のリアルフォワードの成績が赤色の曲線です。
リアルフォワードを開始してから中央値に沿う様に推移しています。これは直近10年間のバックテストから期待される成績と同等の成績でリアルフォワードも推移しているということです。
このことより現状から確認できることは、この半年間においてバックテストとリアルフォワードの成績にはほぼ乖離がなくトレードできているという事です。Sexif はシンプルなロジックなので、今後もこの中央線付近を推移することに期待ができます。
まとめ
以上がSexif の詳細説明です。
まとめると、
- ロジックがシンプル
- 取引回数が多い
- 損小利大のトレード
- コツコツと負けたり勝ったりしながら少しずつ残っていくスタイル
- バックテストとリアルフォワードの乖離が少ない
ということです。
今後については未知数ではありますが、リアルフォワードの計測開始から半年間の成績を見る限り、バックテストとリアルフォワードの乖離が少ないと判断するに足る根拠がこれまでの検証結果で出ていると考えられます。
つまり、バックテストで得られた成績に沿って今後も推移していくことに期待が持てます。
販売について
とてもシンプルなEA なので販売については迷いましたが、大変有り難いことに販売を楽しみにしていただいてるといったお声も頂戴していますので、Let’s REAL と直販で提供させていただきます。
Sexif に派手なトレードはありません。
取引回数が多く、少しずつ負けながら少しずつ勝っていく地味なやつです。
もしよければ今後のモチベーションにも繋がりますのでお手に取っていただけると幸いです。
おまけ
今年に入ってドローダウンを回復したMATILDA の好調が現在も継続しています。
MATILDA は5通貨ペア対象(CHF/JPY, EUR/JPY, GBP/JPY, NZD/JPY, USD/JPY)のEA ですが、その5通貨ペア全てがいつも揃って好調というわけではありません。現在はEUR/JPY が好調に転じた反面、USD/JPY が不調になっています。
そこで、MATILDA の通貨ペア バラ売りバージョンを準備いたしました。
例えば、リアルフォワード開始から現在までずっと好調なGBP/JPY とNZD/JPY を稼働させると安心感がありますし、昨年8月から絶好調のEUR/JPY を追加するとよくトレードするので面白いかなと思います。
この3通貨ペア(EUR/JPY+GBP/JPY+NZD/JPY)を組み合わせた昨年8月からの成績がこんな感じでとても強いです。
各通貨ペアの成績は以下のとおりです。
※USD/JPY は現在著しく不調なのでバラ売りを見送ります。
Sexif と併せてMATILDAも是非ご検討していただけると幸いです。
では^^